このモスクでイスラムの教えを子供達に教えながら自らも学んでいるという謙虚なムハンマドさん。
1971年、東パキスタンがバングラデシュ人民共和国としての独立戦争を10歳の時に目の当たりにした。
ハルン・ラシッドさんと
ムハンマド・シャルカキダさん
バングラデシュは、信心深いイスラム教徒(ムスリム)の国。彼らは日本に住んでいてもお祈りを欠かしません。ムスリムが礼拝を行う場所は「モスク」と呼ばれ、世界各地に存在しています。奈良の地にモスクを建設しようと尽力された、ハルンさんとモハメッドさんにお話を伺うことができました。
日本に来て17年になるハルンさん。仕事がなくて困っている時に、当時大阪で衣服の商売をしていたモハメッドさんを紹介されました。この時から、お二人は親交を深めてきたそうです。モハメッドさんは現在、モスクの管理者として多くの人たちから、厚い信頼を寄せられています。
- なぜ奈良にモスクを建てようと思ったのですか?
最初、ハルンさんの市営住宅の集会所を借りて15〜18人くらいで毎週金曜日にお祈りをしていました。しかし、自治会の人達に反対されてできなくなったのです。その後、お祈りに来る人が増えたので、どこかできるところがないかモハメッドさんに相談しました。大阪だと地価が高く、土地が狭いので建てる場所がありません。そこで、土地が広く、安い奈良にモスクを建てることにしたのです。奈良は、ハルンさんが住んでいましたし、イスラム教の人も多かったですからね。
- モスクを建てるための費用はどうされたのですか?
寄付が5,000万円集まって土地と建物を購入しました。もともと、モスクがあるところには陸運局があり、建物が使われていなかったので購入しました。その後、改修費もかなりかかっています。
- モスクが建つまでの期間はどのようにお祈りされていましたか?
お祈りの場所が無かったので、ハルンさんの家や各家庭でそれぞれがお祈りをしていました。
- モスクを建てることに対して日本側の反応は?
反対も少しありましたが、ちゃんと説明して受け入れてもらいました。
- どんなふうにして理解してもらったのですか?
バングラデシュとの橋渡し役をしてくださっていた方の奥さんがインドネシア人でイスラム教徒だったのです。奈良のこともよく知っていたから、説明して理解してもらいました。
- なぜ許可してくれたのだと思いますか?
みんな真面目にやっている人でした。集まる人は外国から来て日本で仕事や子育てをして信頼もある人が多いし、モハメッドさんも奥さんが日本人で地元の人と交流して信用があったからだと思います。
在日17年になるハルンさん。来日当初はハラルの食材を探すのが大変だったという。
初対面の私たちをご家に招いてくださり、奥様と一緒に美味しいバングラデシュのカレーをご馳走してくださいました。
「モスクのルール」
- モスクの建て方にルールはありますか?
サウジアラビアのメッカに向かってお祈りの場を作ります。
- モスクに行く時になぜ服装を変えるのですか?
神様に失礼のないようにきれいな服に着替えてトイレを済ませ、手や顔や足を洗い、まずきれいに清めることが必要だからです。神様に敬意を表すためでもあります。
- 女の人が肌を隠す理由は?
肌を出すと男の人の気を引いてしまい、純粋にお祈りが出来なくなるからです。
- なぜ男女別なのですか?
男女が近くにいて座ると、特に男性が落ち着かなくなるからです。
- お祈りの作法は?
コーランに書かれていますが、いろいろあります。それは細かく決められています。
- 礼拝の時になぜ同じ動きをするのですか?
皆で心を合わせるために同じ動きをします。これも、コーランで決められています。
- なぜ南を向かないといけないのですか?
サウジアラビアのメッカに向かってお祈りすることが決まっていて、世界中どこにいてもメッカに向かってお祈りします。そこがイスラム教の聖地だからです。
- 何歳から礼拝をしなければいけないのですか?
通常7歳からお祈りをして断食もします。でも強制はしません。
- 礼拝を行う時間の意味はなんですか?
一日5回と昔から決まっていて、コーランによって定められています。でも、仕事などで忙しかったら、後でそれぞれがやればいいのです。イスラム教は寛容です。日本で生活していると完全にやるのは難しいので、人に迷惑をかけないように生活を優先してもいいのです。
- モスクでは勉強も教えていると聞きました。
月曜から金曜は17時から19時半まで、土曜日は特別なクラスで12時半から19時半まで、夏休みは15時から19時半まで教えています。
- 学校の勉強を教えるのですか?
コーランとマナー、お祈りの仕方などを教えています。アフタースクールなので、学校が終わったら車で送迎します。
今日はたくさんのお話を聞かせていただきありがとうございました。イスラム教のお祈りの仕方などを丁寧に教えてもらってとても勉強になりました。
イスラムは自由です。信じるも信じないも。また、相談や質問があったらいつでも来てください。遠いところからありがとうございました。
イスラムの教えを解りやすく教えてくれたモハメッドさん。
【インタビューを終えて】
メイサ: インタビューをする前は、イスラム教は理解するのが難しそうだと思っていましたが、モハメッドさんやハルンさんの話を聞いてイスラム教の印象が変わりました。信者ではない私にも、見学をさせてくださり、わかりやすく説明してもらいました。イスラム教をあまり知らなかった人もこの記事を読んで、想像より厳しくなく、寛容な宗教だと感じたのではないでしょうか。私も一層、イスラム教に興味を持ち、もっと知りたいと思いました。そして、今回ハルンさんをご紹介くださった加藤さん、同伴してくださった大久保さんありがとうございました。
ココナ:私はイスラム教について無知でしたが、ハランさんとモハメッドさんのお話を聞いてイスラム教について詳しく知ることができました。
印象的だったのは、イスラム教では、現世は来世のための準備であり、来世で天国に行くために現世で努力しているということです。
ハランさんのご自宅で、バングラデシュの伝統的なカレーをご馳走になった時も、おもてなしの心が強く、数種類ものカレーを出して頂きました。とても親切にあたたかく歓迎して頂いて、そういうところにもイスラム教の教えが反映されていると思いました。

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